みなさん、こんにちは!
パク・ウンビンのファン・コンサートを、NHKホールで見てきました。
おじさんにとっては、山下達郎のコンサート以来のNHKホールです。
このブログは、K-POPのブログなので、パク・ウンビンを知らない人もいるかもしれないので、一応、ご紹介しておきます。
「無人島のディーバ」、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」、「恋慕」、「ストーブリーグ」などに主演した、今、たぶん、韓ドラで一、二の人気を争う、女優さんです。
今回は「無人島のディーバ」での曲を中心に、10曲ほどを披露してくれたコンサートでした。
その中の一曲、SOMEDAYです。
正直言って、私はパク・ユンビンのすごいファンで、見に行ったというわけではありません。(ファンの方々、申し訳ございません。)
コロナをきっかけに、韓ドラにはまり、その後、K-POPにはまって行った私にとって、韓ドラの、今の旬の女優さんが、K-POPを歌うコンサートは、どのような感じなのか、すごく興味があった、というところです。
エンタテイナーとして超一流の、パク・ウンビンが、非常に楽しませてくれたことは、もちろんのこと、色々な気づきがあった、コンサートでした。
そもそもパク・ユンビンは、コンサートで自分で言っていましたが、無人島のディーバに出演するまでは、歌に全く自信がなく、1年前までは、自分がこんなコンサートを開催するとは、夢にも思っていなかったということです。
それが、1年後には、NHKホールを満員にする、コンサートを開催してしまうのですから、人生何が起きるかわかりません。(と自分で言っていました。)
しかし、それこそが、現在の韓ドラ、K-POPの、地球規模でのバイタリティーの証であり、コリアンドリームの実現であるわけです。
それを象徴するコンサートでした。
音楽的には、これも、「無人島のディーバ」を、体現するようなコンサートでした。
現代のK-POPは、あらゆる意味で、分業体制の権化のようになっています。
曲作り、作詞、アレンジ、ヴォーカル指導、録音、バック・コーラス、などなど、あらゆる手順が、何人、何十人もの手に分かれて、構成されています。
そして、アイドルグループに代表されるように、メロディそのものも、いくつにも分担されて、その一つ一つのフレーズまで、ち密に考え込まれ、やり直され、出来上がっていきます。
20世紀の初めに、フォードが、大衆車を作り始めた時に、工場の流れ作業という概念を初めて持ち込んで、その後、トヨタがカンバン方式で、製造業の流れ作業、を完璧なものに仕立て上げ、現代の製造業があります。
K-POPは、音楽は、才能を有する少数の音楽家が作るものという、それまでの概念をひっくり返し、ソング・キャンプ(大勢の作曲家をキャンプに集めて、分業で一曲を作らせる方式)に代表されるような、音楽のち密な分業体制を作り上げ、大成功しました。
私が、K-POPにここまではまっている理由も、その完璧主義が作り上げるエンターテイメントが、今までのポピュラー音楽と、違っていたからです。
パク・ウンビンの、無人島コンサートは、そのようなK-POPのイメージとは、真逆のものでした。
パク・ウンビン演じる、「無人島のディーバ」の主役、モクハは、中学生の時に、1人で無人島に流され、15年間、孤独に過ごしたのち、社会復帰して、30歳過ぎて、K-POPスターになるという話です。
15年間、たった1人で、誰にも聴かれずに、歌の才能を磨いていたという設定で、大勢の人たちが、関わるK-POPの世界の真逆なのですが、パク・ウンビンの歌声は、まさにそれを体現していたのです。
おおらかで、天真爛漫で、細かいフレーズを気にしないで、全体のフィーリングを大事にする。
まさに、無人島で歌っている感じそのもの。
何か、こうやって書くと、彼女をディスっているように聞こえるかもしれませんが、決してそうではありません。
良くも悪くも、普通に我々が聴いているK-POPが、いかにフレーズごとに、ち密に、すごく悪い言い方をすれば、人為的に作られているかを、改めて気づかせてくれ、またその魅力にも、気づかせてくれました。
パク・ウンビンは、「自分はあくまでも俳優で、俳優が歌を歌っているだけ」、と彼女なりの謙遜を語っていましたが、まさに、プロの歌手ではない、彼女の魅力がたっぷりのコンサートで、それを本人が、一番気がついているからこその、完璧なコンサートになっているのだと思いました。
韓国人の俳優さんが、NHKホールを満員にするコンサートを開く。
まさに、韓ドラとK-POPという、今や世界のエンターテインメント界を席巻している2分野が、融合した時の、ものすごい相乗効果と、その2分野が、互いを高め合っているダイナミズムを、感じさせてくれるコンサートでした。
今日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。