60歳からのK-POP

63歳で初めてK-popを聞き始めて、沼にはまりました。

ダニー・ハサウェイだそうです! HATHAW9Y

こんにちは!

 

今日ご紹介するアーティストは、Hathaw9yというグループです。

 

ギターのカン・キウィ(男性)、ベースのトゥクミン(女性)、ドラムスのチェ・セヨ(男性)の3人組です。

SE SO NEONもそうでしたが、韓国は男女混合のバンドが多いです。またその組み合わせが、良い味を出しているケースも多いように感じます。

 

Hathaw9yというグループ名ですが、今回このブログを書くために調べたら、ダニー・ハサウェイ好きが集まったグループだからだそうです。

(最後のaが9である意味はよくわかりません。)

 

ダニー・ハサウェイと聞いたら、私たち世代のお気に入りの伝説的アーティストの1人、ますますこのブログで取り上げないわけにはいかないですね。

 

まずは一曲、VIOLETです。

 

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シンプルですが、なかなかポップで浮遊感のある曲です。

 

この曲からすぐにはダニー・ハザウェイには結び付きませんが、よくよく聴いていくとだんだんわかってきますので、少しの辛抱を。

 

 

それにしても、いまどきの若者が、70年代のシンガーソングライターであるダニー・ハサウェイ(79年に事故で亡くなっています)を知っているだけでも驚きですが、実はこれがK-POPらしいのです。

 

ダニー・ハサウェイは70年代にマーヴィン・ゲイカーティス・メイフィールドなどどともに、ニューソウルと呼ばれる新しい黒人音楽を作り出した人です。

それまでのジェームズ・ブラウンなどに代表されるような、いかにも黒人らしい、シャウトやコブシを利かせた歌い方をせずに、より抑制され洗練された知的な歌い方をしました。

 

K-POPのルーツが、黒人のR&Bやヒップホップにあるというのは再三触れていますが、同じR&Bでも、いかにも黒人らしい、リズミカルなファンクやシャウト系のR&Bよりも、ニューソウルのような、洗練された系統のR&Bを好む傾向があるようです。

 

そういう脈略から、K-POPの若手アーティストが、ダニー・ハサウェイをフェイバリットアーティストとして挙げるのはすごくよくわかり、マーヴィン・ゲイ好きを公言するアーティストも多くいます。

 

次の曲はLOVEです。

 

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ニューソウルが出てくるまでのソウルミュージックは、ブラスやコーラスなどをふんだんに入れて、かなり豪華に音作りをしていたのに比べ、ニューソウルはそれまであまり前面に出ていなかったギターなどをフィーチャーして、比較的シンプルな音作りをしたのが一つの特徴でした。

 

このHathaw9yも、ギター、ベース、ドラムスだけのかなりシンプルな音使いです。

シンプルですが、エフェクターをかけたギターを中心にして、決して音の薄さを感じさせないサウンドです。

 

これも以前に書いた、K-POPの音の良さから来ている、一つの音の情報量の多さがもたらす効果も大いにあると思います。

 

次の曲はSWEETです。

 

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ここではベースのトゥクミンとギターのカン・キウィのデュエットが聴けます。

 

ダニー・ハサウェイは、ロバータ・フラックとのデュエットで有名ですが、ロバータ・フラックもニューソウルの女性旗手と言われ、やはり洗練された歌い方が特徴でした。

 

ここでの2人の歌い方も、少しささやくような、抑制された歌い方です。

K-POPを色々と聴いていくと、このような抑制気味の歌い方をするシンガーが、男女を問わずすごく多いことに気づいてきますが、これはニューソウルからの伝統が脈々と受け継がれてきているということがわかってきます。

 

私自身もブラックミュージックを聴き始めた当初は、アレサ・フランクリンの力強いシャウトや、バラードを歌い上げるホイットニー・ヒューストンの歌唱力こそ、黒人らしさであり、それに比べニューソウルの曲は、頼りなげで物足りない感じがしたものです。

 

しかし、聴き込んでいくと、その洗練された奥深い魅力が理解でき、はまるようになります。

 

K-POPのこのさりげない歌い方も、最初の頃はずいぶんあっさりとした歌い方だなーと思ったものです。

しかし慣れてくると、この歌い方がK-POP独特の浮遊感や、文字通りポップさを表現するのに向いていることがわかってきます。

 

次の曲は、珍しくリードギターが聴けるNIGHTです。

 

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バンド名の由来を知るまでは、Hathaw9yはいわゆるギターポップ、ドリームポップと呼ばれるジャンルのバンドという印象でした。

 

実際にジャンル分けすればそうなるかもしれませんが、バンド名がダニー・ハザウェイから来ていることを聞いた瞬間、やはり欧米のギターポップやドリームポップとは一味違うテイスト、それはニューソウルに由来する洗練さや知的さ、そしてK-POPの源流にあるブラックミュージックの跳ね感であることがわかってきました。

 

なので、今まで欧米のギターポップやドリームポップと呼ばれるジャンルにそれほど興味がなかった私でも、Hathaw9yにはすごく魅かれた理由がわかりました。

 

 

 

今日ご紹介したHathaw9yは、今まで紹介してきたアーティストの中では一番新しく、まだまだこれからのアーティストですが、K-POPの沼にはまり出すと、このような優良なインディーズバンドが、次々と出てくることがわかり、その層の厚さに圧倒されるばかりです。

 

是非、あなた好みのインディーズバンドを発見してみてください。

 

最後に、やはりそんな次々と出てくる、新進気鋭のインディーズバンドのひとつ、BosundongcoolerとHathaw9yが共演した曲、WORLDTOURでお別れです。

 

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ではまた。